プログラミング未経験からプログラマーを目指すことは、IT業界の実情を知った上できちんとした道をたどれば十分に可能です。
ちなみに私と一緒に働いていた同僚の中には、入社するまでプログラミングという言葉すら知らない同僚も多かったですが、今ではりっぱんプログラマーです。
今回は、実際にソフトウェア会社で働いた私が思う、未経験者がプログラマーになるまでの道について、実体験からわかることをご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
未経験からプログラマーを目指す2つの道筋
結論を最初に言ってしまうと、プログラマーは勉強をすれば誰でもなれる職業ではありません。
プログラミングとテスト、デバッグなどの作業を続けるこの仕事は、IT業界における職人とも言える存在です。
したがって未経験者がプロのプログラマーになるためには、単純にCやJavaなどの言語を独学で学ぶだけでなく、現場でどのように動けば良いかを実践から習得する必要があるのです。
未経験からプログラマ-になるための2つの道筋
未経験からプログラマーを目指す場合には、なるべく若いうちに新卒でIT業界に入ることを目指し、次の2つのいずれかを満たす進路を模索するのが理想となります。
- 大手のソフトウェア開発会社に入る
- プログラミングを学べる専門学校や大学に入る
ちなみにかつてソフトウェア会社に勤務していた私は、前述の2条件を両方満たすことにより、何の問題もなくプログラマーという仕事に就くことができました。
【新卒】大手企業において未経験の新入社員がプログラマーになる流れ
私の入った大手ソフトウェア会社には、未経験者でもプログラマーを目指せる次のような仕組みがきちんと整えられていました。
研修期間でじっくり基礎を学べる
類似の職種で数十人~数百人もの新卒社員を一気に採用できる大きな会社では、各拠点や部署への配属をする前に、1ヶ月~3ヶ月ほどの研修をみんなで一緒に受けるのが一般的です。
私の会社では、約3ヶ月かけて次のようなカリキュラムをじっくり学びました。
・ビジネスマナー実習
・Officeソフトの基本的な使い方
・IT業界の基礎知識
・ソフトウェア開発の基礎知識
・プログラミング実習(JavaやC言語など)
新人研修でおこなった実習内容
新人研修では、現場でシステムエンジニアとして活躍する先輩の出した課題どおりに、みんなでプログラミングを進める実習がおこなわれました。
第一週は、入出力だけという非常にシンプルなプログラムを、全員で協力しながら時間内にテストまで完了させる実習内容でした。
そこから少しずつ課題の難易度を上げていき、最終的には各グループで担当を割り振り、次の流れで情報処理する簡単なシステムを作り上げるところまでレベルアップしていきました。
【1】情報のインプット
【2】計算処理
【3】計算処理
【4】結果のアウトプット(帳票出力)
同期におけるプログラミング未経験者の割合
ちなみに一緒に研修を受けた同期22人のうち、学校やプライベートでプログラミングを組んだことがあるのは、たったの8人だけでした。
したがって、新入社員の60%以上が未経験者だったということになります。
日本人の誰もが知るメーカー系の大手の会社には、実際におこなわれている業務内容よりも、そのブランドやネームバリューに憧れる未経験者が集まりやすい特徴があります。
また特に学部指定のない大きな企業の場合、システムエンジニアやプログラマーといった職種に惹かれ、文系卒の学生も集まりやすくなっているのです。
未経験者が非常に多かった私の同期の状況は、IT企業においてそんなにおかしなことではないと捉えて良さそうです。
配属先でおこなわれるOJT
3ヶ月間の新人研修が終わると、配属先の具体的な仕事を通してプログラミングや実際の業務を習得するOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が始まります。
システムソリューションという部署に配属された私は、先輩とペアで長期出張に出ながら、ソフトウェア開発やプログラミングの基礎を徐々に現場で覚えていきました。
日々の業務の中で仕事を覚えるOJTの場合、最初にプログラミングではなくシステムエンジニアが携わる設計関係の修正などに携わることもあります。
そのため、システムエンジニアの先輩を指導者とする大手企業の場合、新人の頃からソフトウェア開発全般の業務イメージを掴みやすいです。
最初の頃は、自分の作ったプログラムが上手く動かない、バグ修正がスムーズにできないといったときに、指導者である先輩のフォローが必ず入るため、安心して作業に集中することができました。
プログラマーになるために大手企業に入る際の注意点
このように新人研修とOJTにより仕事を覚える仕組みの整った大手企業は、未経験からプログラマーを目指す方にとって非常に良い環境であると考えられます。※大手であることがポイントです。
しかしながら大卒や大学院卒を積極的に採用する大きな会社の場合、大卒と比べて即戦力になりやすい専門学校出身者の採用人数が少ない傾向があるようです。
また最初におこなうプログラミング実習では、基本的に未経験者でも理解しやすく、ポピュラーな言語を取り扱うのが一般的です。
そのためプログラマーの配属先によっては、新人研修や学生時代に使った言語とは無縁の現場で、ゼロから新たなプログラミング技術を学ぶ必要もあると捉えてください。
中途採用でプログラマーになる道はある?
続いて、数年間の社会人経験のあるプログラミング未経験者が、中途採用でこの職種を目指せるかどうかについて考えていきたいと思います。
転職サイトに並ぶプログラマー求人の特徴
中途採用や転職者向けのプログラマー求人では、何らかのプロジェクトで誰かが欠けたり、更に作業者を集めたいといった理由で、即戦力となる人材を募集対象とする傾向があります。
そのため、プログラミング言語や開発現場について右も左も分からない未経験者の場合、基本的に転職サイトからプログラマーになることは、かなり難しい実情があるのです。
職業訓練校や民間スクールで学べばプログラマーになれるのでは?
雇用保険の受給期間が延長となる職業訓練校の中にも、プログラミングを学べる施設は非常に多い実態があります。
求職者へのサポートがしっかりしている職業訓練校は、授業で学んだことを活かし、今までとは異なる業界に転職したいと考える方々にとっておすすめ度の高い選択肢です。
しかしながら新入社員研修でプログラミング実習の受けられない中途採用の場合、やはり即戦力になるほどの実力がなければ、プログラマーという職種での就職は難しくなります。
そのため、職業訓練校や民間スクールでプログラミングの成績が良い人は、敢えて職種を絞らずにIT業界全体を就職活動の対象とするのがおすすめと言えます。
そして業務の中で徐々にプログラミングスキルを社内にアピールし、プログラマーとして活躍する方法もあります。
最近は未経験中途採用でもプログラマーとして就職・転職できるプログラミングスクールがたくさんあります。
まとめ
実際にソフトウェア開発会社で働いた経験から、未経験者がプログラマーになるための道や注意点について解説してみました。
若手が携わることの多いプログラミングを仕事にするには、大学受験~新卒の就職活動までの間に、自分が向かうべき方向や学校、企業の絞り込みを進めておく必要があります。
また、ソフトウェア会社の採用試験を受けるときには、女性プログラマーになりたい理由を明確にすることも忘れないようにしてください。